Charlotte

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Special

Interview

麻枝准独占インタビュー前編 「Angel Beats!」放送から4年。麻枝氏がふたたびアニメにあ携わることを決めた理由とは?その思いの丈と手応えを問う独占インタビュー。 電撃G's magazine 2015年2月号より引用

この作品で成長した姿を見せたい
そんな風に思ってます

――まずは本作『Charlotte』の企画が動き始めた経緯をお聞かせください。

麻枝 准氏(以下、麻枝):2012年の年明けくらいだったかな……アニプレックスの鳥羽さん(鳥羽洋典プロデューサー)から「お仕事の話があります」といわれたのが始まりでした。『Angel Beats!』の制作をしてくれたP.A.WORKSさんの堀川(憲司)社長が、自分ともう1回やりたいといってくれているのですが、と。

――きっかけは堀川社長からだったのですね。そういわれてどう感じられましたか?

麻枝:それはもう驚きましたよ。P.A.WORKSさんは、スタッフを育てるためにいろいろなジャンルや方向性の作品を手がける制作会社だというイメージが強かったですから、1回いっしょにお仕事させてもらった自分のところには、もう二度と話はこないだろうと思っていました。なのでどうしてそう思ったのかと理由を聞いたら「『Angel Beats!』のころにはスタッフの力不足で実現できなかったようなことでも、きっと今ならできるだろうから」と。俺自身はアニメの企画にもう一度関われるなんて思ってもみませんでしたが、堀川社長がそうおっしゃってくださるなら「やります」と。そう答えるしかありませんでした。

――実際に物語を考える際に、先方から方向性に関する提案やオファーはあったのでしょうか?

麻枝:鳥羽さんから「Key的な物語を」といわれ、アニメ映えする設定や物語はどういうものだろうと試行錯誤しながらまとめ上げた案を提出しました。アニメの脚本を手がけさせてもらうのはこれで2作品目ですので、前回学習したことも反映しています。今回はメインとなる登場人物をしぼっています。『AB!』は、どうしても1人1人にスポットを当て切れなかったというのもありますし。

――そのうちの2人が、今回発表された乙坂有宇と友利奈緒になるわけですね。

麻枝:それにあと2人を加えた、計4人がメインキャラクター。全員生徒会に所属していて、その4人でチームを組みます。で、その中の1人がバンドをやっています。

――バンド! 『Angel Beats!』ではオープニングやエンディングはもちろん、劇中バンド「Girls Dead Monster(ガルデモ)」の曲も魅力の1つで、大きな話題となりました。『Charlotte』は楽曲面でも関わられているのでしょうか?

麻枝:今回もオープニング、エンディング、挿入歌の作詞作曲を手がけています。歌ってもらう人も決まっていて、今順次作曲・レコーディングをしているところです。今回は劇中バンドが2つ登場しますので、曲数はけっこう多いですね。片方のバンドは作詞だけなので2倍とまではいきませんが。もう片方のバンドはガルデモ同様、作詞・作曲を手がけています。ガルデモの時は新規に書き下ろした曲がメインでしたが、今回は学生のころに作ったできのいい曲を再利用しています。そういう意味では、そのバンドの曲は自分の「アーリー・ベスト」的な側面があるかもしれません。作曲ペースはかなり順調ですね。

――ジャンルはどのようなものになるのでしょうか。

麻枝:ロックですね。作曲時のコンセプトは「初期のB'z」でした。あくまで当初のものですので、完成した曲もそうなっているというわけではないですが。

――B'z……ということは男性ボーカルだったりするのでしょうか?

麻枝:いえ、ボーカルは女性です。それと今回はキャラを担当する声優さんにそのまま歌ってもらいます。最初から歌も歌ってもらうことを前提でオファーしましたので。

――続報が楽しみです。『Charlotte』というタイトルですが、どのような意味があるのでしょうか。

麻枝:当初は略称が『AA』になるタイトル案がありまして、『Angel Beats!』の頭文字を取った略称が『AB』になるのを考えてもこれがいいねという流れになっていたのですが、発案者が俺ではなく中川(※麻枝氏のかねてからの友人)なのが問題で、俺としてはそのタイトルにはしたくなかった。なので、それを超えるタイトルを……とひねり出したタイトルです。どのような意味かは、でき上がった作品を見ていただければ。アニメにかぎらず、タイトルを考えるのはいつも難航します。

――先ほど作曲が順調とおうかがいしましたが、脚本執筆の手ごたえのほうはいかがでしょうか。

麻枝:途中まで書き上がった分を堀川社長に見てもらったら「『Angel Beats!』の時のような熱量が感じられない」といわれたことがあって。ただ、俺としては「ここから先が怒涛の展開なんだ」と思っていたので、残りを一気に書き上げてふたたび見てもらったら「(前半部分だけ読んだ時の)杞憂が吹き飛びました」といってもらえて。ああ、よかった……と胸をなで下ろしました。そういう作品ですので、『Angel Beats!』よりも出だしは静かだと思います。あっちはあっちで、意図的にド派手にした面もありますし。

――麻枝さんにとって自信作となりそうですか?

麻枝:自信作……なのかな。ただ、今持てる力の最大限を発揮して向き合っているのは間違いありません。あとは、少しでもいいものになってくれることを祈りつつ仕上げるのみです。そしてこの作品で、自分が少しは成長しているということをみなさんにお見せしたい。そういう作品にできればと思っています。

インタビュー後編は電撃G's magazine 2015年3月号にて掲載!