Charlotte

  • ABC目覚ましNEWS
  • 電撃G'sコミック
  • 電撃G's magazine
  • Key
  • ANIPLEX
  • 電撃G's magazine
  • P.A.WORKS

このホームページに記載されている一切の文書・図版・写真等を手段や形式を問わず複製・転載することを禁じます。

Special

Interview

麻枝准独占インタビュー後編 2015年放送 麻枝 准全話脚本によるオリジナルアニメ第2弾、始動。あらすじやストーリーについても語っていただいた、麻枝氏独占インタビュー後編 電撃G's magazine 2015年3月号より引用

能力者モノではあるけれど、
能力バトルモノではない!

――まず、本作が発表された昨年末のニコニコ生放送に出演された感想をお願いします。

自分が登場した時に、すごい拍手が鳴り止まなくて感動しました。自分はもう終わコン[編注:(ブームや盛り上がりが)終わったコンテンツの略。ネットスラング]だとばかり思っていましたが、これならまだがんばれる、と。

――配信で拝見しましたが、確かにすごい拍手でした。

自分でも配信をあとで見返してみましたが、実際に聞こえた音はもっと大きかったですね。PCゲーム版の『Angel Beats!』と、新作アニメの『Charlotte』という、これだけ規模が大きい企画を2つ同時に進行するのは初めての経験でずっと大変な思いをしていたんですが、これからもがんばっていけると思えました。

――インターネットなどで、生放送の感想などはご覧になりましたか?

自分の体のことなんかに気をつかってくださる方も多く、やはり感動しました。「お前は二度とアニメに関わるな」くらいの辛辣な声が、もっとたくさんあるかと覚悟していましたので……。

――あれだけ成功した作品ですから、待っていたファンは大勢いますよ! それでは、いよいよ『Charlotte』についておうかがいしていきます。本作はなんと“能力者モノ”であるとのことですが。

はい。まず最初にお伝えしておきたいことがあって、それは、この作品は「能力者モノではあるが、能力バトルモノではない」ということです。みんな持っている能力が不完全すぎて、それを使ったバトルなんかとてもできないんですよ。なのでハデな戦闘などはありません。

――では、そうした能力を使ってどのような物語になるのでしょうか。

まず、本作における特殊能力は「思春期を迎えた少年少女のごく一部」にのみ発症しうる、ということになっています。

――なんの力も持たず、ふつうに学生時代を過ごす少年少女も大勢いるということですね。

それで、友利たちが通う星ノ海学園はそうした能力者に理解がある特殊な学校で、そこの生徒会は「能力を使って、他の能力者たちが起こしている問題や事件を解決する」のが活動内容なんです。

――だから、友利が1年生であるにも関わらず生徒会長なのでしょうか。

そういうことになります。一般的な学校がやっている生徒会の活動内容とは全然違うんですよ。だから、生徒会といっても生徒会長以外は役職すらありません。友利が生徒会長なのは、責任感が強いというのもありますが、なによりも彼女自身が能力者だからです。主人公の乙坂も同様に能力者で、この学園、ひいては生徒会に編入させられることになります。

――先月号に掲載させていただいた「乙坂は巻き込まれ型」という情報はそういう意味だったんですね。今号の前のページでも掲載させていただきましたが、メインキャラクターたちの能力やパーソナリティーについてあらためてお聞かせください。

乙坂の能力は「5秒間だけ対象の体を乗っ取れる」こと。彼はこの力を悪用して優等生に乗り移ってテストの答えを暗記(カンニング)ばかりしています。だからバカなのに成績だけはいい。今回は、主人公をカンニング魔にしたいという考えがけっこう早くからありました。

――それはどうしてでしょうか?

今までやったことがなかったので、一度ゲスい主人公にしてみたいなと。もちろん、物語の流れで成長していきますよ。ただ、物語開始の時点では、今までのKey作品の中でも一番ゲスいといえます。

――どんな少年なのかますます気になります。それでは、友利について。

友利の能力は「相手の視界から消える」こと。ただし、一度に1人の視界からしか消えることができません。彼女が持っているハンディカムは、趣味というより生徒会活動のためのもので、常に持ち歩いて、能力者が事件を起こしていそうなところ、証拠となりそうなところを映像に収めているんです。あとは作中に登場するバンド「ZHIEND(ルビ:ジエンド)」のファンで、いつかは彼女たちのPVが撮れたりしたらいいな、と考えていたりもします。

――「ZHIEND」というのが今作で2つ登場する作中バンドのうちの1つですね。もう少し詳しくお聞かせください。

「ZHIEND」は、サラという女性がボーカルを務める海外のポストロックバンドです。なので歌詞も全部英語です。自分は「ZHIEND」の曲では作詞のみを担当しています。

――曲が聴ける日が楽しみです。乙坂の「5秒間だけ」、友利の「一度に1人だけ」……と、どちらも便利そうに見えてかなり使いづらそうな能力ですね。明確な欠点のある能力、という発想はどこから得られたのでしょうか。

不完全な能力者たちが、作戦や協力でその不完全さを補って事件を解決する……というような案は前々から持っていたんです。今回はそれをついに形にしたという感じですね。ちなみに、作戦はおもに友利が立てます。メインキャラの中で頭が回るのは彼女しかいませんので。

高城≒『AB!』高松!?
ファンサービスもチラリ

――それでは、今月が初公開となるキャラの1人、高城についてお願いします。

高城は瞬間移動ができます。ただし、テレポートではなく実際に移動するので、狙った場所でピタッと止まれないという不完全さがあります。なので、少しでもケガを軽くするために体を鍛えていて、さらに制服の下にはプロテクターも着けています。それでも、何回も病院に入退院を繰り返していますが。

――性格的にはどんな少年なのでしょう。

これからお話する柚咲の大ファンで……あとは『AB!』の高松とほぼいっしょです。

――ええええ!?

同席していたNa-Ga氏:
いや、高松が登場するということではなく、最初は見た目も性格も全然違うキャラだったんですよ。ところが、修正だの変更だのをしていくうちにいつのころからかあえて高松にかぶせていく方向になってきて……(笑)。

――ファンサービスというところでしょうか。それでは西森柚咲についてお願いします。

柚咲は口寄せができて、亡き姉の霊を自分に憑依させることができます。ただし、憑依させられるのはその姉だけである、能動的には憑依させられず、姉が憑依してくるのを待つのみ、さらに本人は自身の能力に気づいていないという大きな欠点があります。

――そこまで欠点だらけだと、なんの役に立つのかわかりませんね……そのお姉さんはどんな女の子なのでしょうか。

不良で、彼女自身も能力者でした。双子ではなく、美砂のほうがちょっとだけ年上です。それと、柚咲は現役のアイドルでもあって、ティーン向けの雑誌のモデルなどをしています。さらに「How-Low-Hello(略してハロハロ)」というロックバンドのボーカルをしています。

――劇中バンドの2つ目が、この柚咲の「ハロハロ」なんですね。

こちらは自分が作詞・作曲を手がけていて、今回は声優さんにそのまま歌っていただきます。最初からそれを前提でお願いさせてもらいましたので。

――作品からは話題がそれますが、先月のニコニコ生放送では「麻枝 准の殺伐ラジオ」の再開も告知されましたね。

自分がやる分には楽しいのでいいんですけど、すでに俺のファンでいてくれている人しか聴いてくれないから、販促になるのかはなはだ疑問なんですよね……。殺伐ラジオがあろうがなかろうが、アニメを見る人は見るし、見ない人は見ないのではないか、と。

――それでは逆転の発想で、販促になりそうなことをしてみるのはいかがですか? たとえば「ハロハロ」や「ZHIEND」の曲を先行で少しだけ流すとか……。

なるほど……。ただ、殺伐ラジオのコンセプトは「お客さんの喜ぶことはしない、歩みよらない」なんですよね……。ともあれ、再開第1回目の収録が2月の初めにありますので、おそらく2月中には配信されるんじゃないでしょうか。ラジオの台本も早く書かないと……。

――1回目のゲストは旧来のご友人の中川さんというお話ですが、他に呼びたいゲストなどはおられますか?

最近連絡を取り合っているので、大学時代にいっしょに音楽をやっていた吉田を呼ぼうかなと。「ハロハロ」に使われる曲は、当時彼といっしょに作った曲を元にした部分もあったりしますので。まぁ、1フレーズだけとかだったりするんですけど。

――またグダグダなラジオが聴けるのが楽しみです。それでは、最後にひと言メッセージをお願いします。

どこを切ってもおもしろい、エンターテイメントに徹した作品にしたいと思っています。よろしくお願いします。